任意整理・自己破産 貸金業界のこと 闇金・詐欺業者はこう騙す

借金ブログ 借金をする人の心理(実話)

2006年当時、消費者金融の利用者が1400万人に達し、貸付残高が14.2兆円、5件以上の借り入れを有数する多重債務者が230万人、自己破産者が18万4000人にも及びました。

このことが大問題となり、2006年12月から出資法の上限金利を29.2%から20%に引き下げられ、また貸付額を年収の3分の1以下とする(総量規制)が行われてその数は大幅に減少しました。
消費者金融業者は軒並み経営が悪化しました。

ところが2012年から銀行のカードローン貸付残高が上昇し、2016年には5.1兆円と急増しました。銀行のカードローンが貸金業法の総量規制の対象外になっていたことを利用して貸付を過剰に行っていたと考えられます。

日本弁護士連合会が金融庁へ対策を求め、2018年以降、銀行業界も自主規制ルールによって対応を取ることになりました。その結果2018年以降銀行カードローンは減少し始め、2017年の5.8兆から2020年では5.1兆円まで減少してきました。

一昔前は、テレビをつければ消費者金融やクレジットカードのCMが大量に流れ「ラララむじんくん」「チワワのくーちゃん」、そして有名なダンスシーンも盛んに流れていた時代もありました。

今の貸付の主流はリボ払いです。お金を貸してもすぐに返済されてしまえば利息は少なくなります。そうならないようになるべく長期的に返済額を低く設定することでお得感を出しているのです。今では一見リボ払いとはわからない商品も出ています。

以下の話は少し前にはなるのですが、実話です。どうやって借金を背負うことになったのか、どうして多重債務に陥ってしまったのかがわかるかと思います。

 

幸せな結婚生活が一転

Aさんは、ごく平均的な主婦でした。

二十歳で子供が出来て結婚したAさん。当時は幸せな結婚生活を送れると信じていました。当時はまだ若く、貯金はほとんどなかったものの、その頃はAさんも正社員として働いており、とにかく新婚生活は始まったばかりで、幸せな毎日が続く、そう思っていました。

しかし、その願いは見事に打ち砕かれました。
結婚直後から夫は転職を繰り返し、給料を生活費としてほとんど家計に入れてくれなかったのです。パチンコ好きで酒好きという本性を次第に現し始め、給料のほとんどを自分の小遣いに当てるようになりました。

当然、生活費は足りなくなります。

真面目に働いて生活費を入れてくれと夫に頼んでも、まったく聞いてくれません。
Aさんは子育ての為に会社を退職していたため、パートを始めましたが、それでも月給は8万円足らずでした。

家賃の3万の負担も重く、友人にたびたび借金をしていましたが、ついに生活費の穴埋めをするために消費者金融に手を出してしまったのです。

初めての消費者金融

消費者金融に初めて行った時にはかなりの抵抗感がありました。
ただ生活費がどうしても足りなかった。友人にこれ以上借金をするわけにもいかない。
ついにある消費者金融から30万円程借りてしまったのです。

消費者金融の対応は思っていたよりもやさしかった。
物腰が柔らかく、やさしい言葉をかけてくれました。
そして、簡単にお金を借りることができたのです。
しかし、これが借金生活への入り口になってしまいました。

カード会社は、返済を始めたばかりなのに、すぐに借入額を増やすことを勧めてきました。
そんなに簡単に借りることができるのか、と不安を覚えながらも、Aさんはついつい甘い誘いに乗ってしまい、再度追加で借りることにしたのです。
当然、毎月の返済額は増えていき、次第に返済が滞るようになりました。

するとこれまでのやさしい態度は一変しました。
店長クラスの幹部社員がドスの利いた声で取り立ての電話をかけてきたのです。

他の消費者金融にも

借金生活が2年目に入ると、他の消費者金融にも手を出し始めました。
そして、1万円を返すために、別のところから1万円を借りるという自転車操業を繰り返すようになりました。

業者数と借金額が増えるだけで、いくら返済しても元金が減らない状況に陥ったのです。ただ利息だけを何とか払い続ける日々が続きました。

Aさんは、本格的に借金生活に足を踏み入れてしまったのです。

多くの多重債務者は、初年度に50万円以下の借り入れからスタートし、年を追うごとに借金総額が増加していき、数年後には100万円を超えるという場合がほとんどです。

借入先も、返済の為に1社から2社。2社から3社へと増えていき、ついには自転車操業に陥ってしまいます。これが多重債務者のたどる共通したパターンといえます。

こういう状況になると、自力で借金生活から抜け出すことはまず不可能です。
第三者(相談員や法律家)の介入が必要な事態なのですが、Aさんの場合は、身近に手を差し伸べてくれる人はいませんでした。

市区町村役場に、多重債務者が相談できる相談窓口があることさえ知りません。
一人でずっと苦しみから耐えていたのです。
苦しい借金生活にピリオドを打つ手段を知ることができなかったのです。

夫とは離婚しました。

トイチの闇金に手を出した

離婚して1人で子育てをすることになったAさんは、スナックでアルバイトを始めました。この頃、消費者金融よりも高利の 闇金 (ヤミ金) にも手を出してしまいました。

1回に4万数千円の現金を手にできることが何より魅力でしたが、利率は消費者金融とは比べ物にならないほど高く、俗にトイチと言われているものでした。トイチとは、10日で1割。年利だと365%になります。

返済額はうなぎ上りに増えて、取り立ても格段に厳しくなりました。
利息を払う必要の無い違法な 闇金 の借金でしたが、法律知識を持ち合わせていないAさんは、当然そんなことは知るゆえもなかったのです。

さらに泥沼にはまったように感じたAさんは、トンネルの出口が見えないような生活に、最悪なことを考えるようになりました。働いても働いても、苦しくなる生活に希望を見出せない状況に置かれていたのです。

精神的なストレスを抱え、いつしか酒に手を出すようになりました。
それまではめったに飲むことはなかったのですが、一晩で焼酎を一本開けるほど大酒飲みになり、記憶を失う程泥酔してスナックのママにきつく注意されたこともありました。

闇金(ヤミ金)業者は執拗に借金の取立てにやってきます。
勤め先のスナックのカウンターに陣取り、ちくりちくりと返済をせまり、ただ酒を飲んでいくのです。

訪問販売員による押し売り事件

家でもAさんは酒に浸り始めました。胃腸薬や頭痛薬を大量に飲むようになり、体を壊し、ついには仕事ができなくなりました。

そんなAさんに、最後の一撃を加える”押し売り事件”が起きました。
子供の教育にと、学習教材の訪問販売員がしつこく勧めてきたのです。
その教材費は100万円とびっくりするほど高額でした。

もちろん「とても買えません。」と断りましたが、それでも営業マンは玄関口で何時間も居座り、ついには「ローンが組めました。」とゴリ押ししてきたのです。

結局、根負けしたAさんは、クレジット会社と分割払いの契約を結んでしまいました。
自宅にファックスを設置され、定期的に教材が送られてくるようになったのですが、ただでさえ借金返済で首が回らないところに新たに月に3万円以上の支払いが加わったのです。

これで完全に家計がパンク状態になってしまいました。

人生の転機

もうこれ以上払い続けることができません。

そして教材費の分割払いの不払いを続けていたAさんを相手取って、教材業者は訴訟を起こしてきたのです。ただ、この訴訟が結果的にAさんを生活から救ってくれて転機となりました。

借金とクレジット会社の訴訟が重なり、どうしてよいかわからなくなっていたAさんは、ついに役所に相談に行ったのです。切羽詰ったAさんは、苦しい胸の内を打ち明けました。市民生活係の人が、弁護士に連絡し、消費者金融、闇金融、クレジット会社に受任通知をしてもらいました。

このとき、15社から借りた債務総額は430万円にまで膨らんでいたのです。
しかし、何年も続いていた厳しい取立ては、この日を境にピタリと止まりました。

人生にこんな春が来るとは思いませんでした。」

借金生活から脱出したAさんは、平穏な生活を取り戻した喜びをしみじみと語ります。
「当時の荒れた生活ぶりからは想像できませんが、今では子供と一緒に食卓を囲み、笑って食事をしています。」

普通の生活をしていても多重債務者になり、生活のような日々を送るようになる可能性は十分にあります。それでも相談窓口に駆け込みさえすれば、そこから脱出できることを一人でも多くの人に伝えたいと思いました。

インターネットに接続して、いろいろ調べられる環境がある人は、まだまだ恵まれているといえます。その気になれば、いろいろな対処法が見つかるからです。ほんの少しの勇気を出して一歩を踏み出せば、そこから生きる希望が見えるのです。

三年とうげ

別な話。

あるところに、「三年とうげ」と呼ばれる美しい峠があった。
しかし、その峠には言い伝えがあった。
「三年とうげで転ぶでないぞ。そこで転んだら、三年しか生きられない。」
という言い伝えで、村人たちはみんなその峠を恐れていた。

ある日、おじいさんがその三年とうげで転んでしまい、いつ自分は死んでしまうのかと心配のあまり、とうとう病気になり寝込んでしまった。

それを知ったある少年が、おじいさんにこう言った。

「おじいさん、三年とうげにもう一度行こうよ。一度転べば三年いきられるんだろう。それなら二度転べば六年。三度転べば九年。四度、五度・・・・たくさん転べば転んだだけ長生きできるんだよ。」

それを聞いたおじいさんは、しばらく考えていたが、「なるほど、なるほど」
そこで、もう一度三年とうげ行き、ころん、ころんと何度も転んだ。

その後はすっかり元気を取り戻した。
それを知った村人達も、みんな幸せになりました。

事実はひとつ、考え方はふたつ

事実は一つだけど、考え方は2つ。

今の状況をマイナスにとらえるのか、プラスにとらえるのか?
どうせだったら、プラスに前向きにとらえたいものです。

 

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