今、関東などで相次い発生している強盗事件。すでに18都道県警が70人が逮捕され、被害者は2300人も及んでいる。
指示役としてフィリピンで拘束中の「ルフィ」と呼ばれる男や、国内にも「桃太郎」と呼ばれる男も浮上している。
強盗グループは、この実行犯役を、SNS等を用いて行っていることがわかっている。
そこに関連記事として「闇バイト募集をAIで検出、兵庫県警が全国初導入へ」がヤフーに上がっていた。
なぜ兵庫県警が単独でAIを?
出典:読売新聞 「闇バイト」募集をAIで検出、兵庫県警が全国初導入へ
この記事を要約すると、今までは手作業で危険な投稿を見つけたり、それに対する警告文を送るなどしていたが、今後はAIを用いることで(危険な言葉を自動抽出)して効率アップをはかるというもの。この仕組の導入を来年度の予算として290万円計上する。
県警幹部は「金に困った人たちが安易に加担しないよう警告で思いとどまらせたい」とコメントしている。
ここで、なぜ「兵庫県警が単独でやっているの?」と違和感を覚えた。
・予算290万円で何ができるの?
・サイバー警察はやらないの?
・警察庁としての全体の取り組みはないの?
・デジタル庁こそ適任ではないの?
・新たな法律は?法に連動する仕組みは?
当然、上記についてはこれから次々に実施していくことだろう。
実施していかないと存在している意味がない。後はどれだけこの取り組みを世間に周知していくかどうかだ。
だが、今回の兵庫県警がAI初導入ということで、どれほどの抑止力になるのだろうか。
身バレ回避は簡単だ
例えばツイッターアカウントは無制限(上限なし)で作成可能だ。
そしてフリーwifiiやVPN等を使えば身元(IPアドレス等)を隠してツイートすることもできる。
そうすれば身バレせずに怪しい投稿ができてしまう。海外から行えば更に捜査の手が行き届きにくい。当然首謀者はわかっているだろう。
そして怪しいツイートは削除対象になるだろうが、曖昧な募集も多い。
AIをすり抜けるために「高額収入」や「即日現金払」等で釣り、後の詳細はDM(ダイレクトメール)でやり取りすれば良い。このような言葉をすべて警告するのは不可能だろう。
お金で雇われただけの実行犯は、罪の意識が希薄している。だから振り込め詐欺は一向になくならないし、巧妙な手口は今も進化し続け詐欺リストは闇組織に大量に出回っている。
解決策はないのか
オレオレ詐欺や振り込め詐欺の被害者は闇リスト(個人情報流出データ)からの被害が多い。そこからターゲットを物色している。
今はツイッターで「100万円配る企画」などSNSを利用して大量にカモを誘導させて個人情報を抜き取るケースが増えている。
応募した全員に「あなたに当たりました」とDMし、そこから個人情報(名前、住所、年齢、職業、電話番号、口座情報等)を送らせる手口だ。当然お金を配るわけがない。
安易に個人情報を送る人(=情弱者)であることから、これが次の詐欺に利用されてしまう。このような詐欺を防ぐには、また加担しないためにはどのような解決策があるのだろうか。
実行犯や出し子に対して厳罰化
実行犯や出し子に対して厳罰化すること。罪を重くすれば犯行を思い留めるようになるかもしれない。この報酬では割に合わないと思わせるためだ。
これは広く周知しないと意味がないため、メディアを大々的に使って報道する。
ただ効果は期待できないかもしれない。飲酒運転だって、厳罰化されたにも関わらずなくならないからだ。
おとり捜査の実施
もう一つが「おとり捜査」だ。
身元を隠して高額案件などに応募する。その際に使用する身分証などはもちろん偽造だ。薬物捜査などにも有効だろう。
だが問題がある。日本ではおとり捜査に消極的だ。理由は犯罪を誘発してしまう可能性があるからだ。
さいごに
今回のAIの件、今更という感じにはなるが犯罪の抑止力に繋がればと思う。
やはり犯罪組織の撲滅は難しい。逆に厳しくし過ぎれば監視社会になってしまう。それはそれでまた問題があり、メールやLINEの中身まで監視されてしまえば、それはそれでやりずらい。(googleは実施しているようだが)
結局犯罪はいたちごっこになるのだろうか。
自分の身は自分で守るしかないが、子供や老人等の弱者に対しては周りの手助けが必要だろう。