「といち」という言葉を聞いたことがありますか?
闇金の利息などで「トイチ」という言葉をよく耳にすることがあります。
トイチというのは闇金からお金を借りる時に「10日で1割の利息がつく」を略した言葉です。
トイチというのは
10日で1割というのは、今日10万円借りたとして、10日後には10万円の1割である1万円の利息が発生するという意味です。
10日後に返済する場合には利息を含め11万円返さなければなりません。
もしもこのお金を返さずにいたらどれくらい借金額が膨らんでいくでしょうか。
下の表をご覧ください。
期間 | 借りたお金 | 利息 | 返済額 |
---|---|---|---|
10日後 | 10万円 | 1万円 | 11万円 |
20日後 | 11万円 | 1.1万円 | 11.1万円 |
30日後 | 12.1万円 | 1.21万円 | 13.3万円 |
50日後 | 14.6万円 | 1.46万円 | 17.7万円 |
100日後 | 23.5万円 | 2.35万円 | 25.9万円 |
200日後 | 61.1万円 | 6.11万円 | 67.2万円 |
365日後 | 309.1万円 | 15.4万円 | 324.5万円 |
100日を過ぎた頃には25.9万円と、借りたお金の2.5倍の額に増えています。
3ヶ月経たずに2倍を超える借金となります。
では1年後(365日後)では、324万円の借金に膨れ上がります。
最初の借金は10万円にもかかわらず、1年後には30倍以上も借金が増えたことになります。
ここまで増えればとても返せる額ではありません。
トイチで怖いのは複利
なぜこのように1年で30倍にも膨れ上がるかというと、複利計算になっているからです。
もともとは10万円(元金)の借金でしたが、それに利息が1割つきます。
この利息に対しても利息がつくために急速に借金が増えていくのです。
この利息に利息がつく仕組みのことを「複利」といいます。複利で計算すると非常に大きな数字になるのです。
その結果トイチでは、年利3142%(複利)と、とんでもない利息になります。
ちなみに貸金業の上限金利は以下の通りです。
貸出額 | 上限金利 |
---|---|
10万円まで | 20% |
10万円~100万円まで | 18% |
100万円以上 | 15% |
年利20%と比較して、年利3142%は驚くべき数字です。
トイチ以外にもトニ、トサン、トヨン、トゴもある
今までトイチの話をしてきましたが、トイチ以外の利息も闇金には存在します。
闇金用語では、トニ、トサン、トヨン、トゴ、他にも週三、週四というものです。
それぞれの金利を比較していきます。
トニというのはその名の通り、10日で2割の利息がつきます。他も同様です。
発生する利息 | 年利(複利) | |
---|---|---|
20% | 1年間で2割 | 20% |
トイチ | 10日で1割 | 3142% |
トニ | 10日で2割 | 77545% |
トサン | 10日で3割 | 1441791% |
トヨン | 10日で4割 | 21561119% |
トゴ | 10日で5割 | 267504316% |
20%というのが10万円を正規の貸金業者で借りる場合の上限金利です。
トイチでは3142%の金利でしたが、トゴでは何と2億6750万%とトイチに比べて8万5千倍となります。
トイチの場合:1年後に324万円
トゴの場合は:1年後に2293億円
10万円トゴで1年間借りた場合は、1年後には2293億円も返さなければなりません。
その金額はもうトイチと比べることすら出来ません。
ちなみに「闇金ウシジマくん」はトゴで営業しています。
この数字をみるだけでいかに闇金の金利が高いのかがわかります。是非こちらもあわせてお読みください。 闇金の利息はトイチからトサンが主流です。トイチというのは10日で1割、トサンの場合は10日で3割利息がつくという意味です。 では、一般的な貸金業者の利息と闇金の利息ではどれくらい異なるかを見てみましょ ...
闇金の利息はどれくらい?(年利3142%)
まとめ
といちの意味としてはもうひとつあります。
東京都知事登録を初めて受ける際に、その業者に割り振られる番号のこと。
「東京都(1)第○○○○○号」といった番号からそう呼ぶこともあります。
とうきょうといちで「といち」。
3年ごとに括弧内の数字が増えるのですが、初登録後まだ3年を過ぎていない場合には(1)の番号がついています。
登録後まもない金融業者や、他にも闇金や高利貸しが多いことから都(1)=といちという言い方もあります。